ルールは、モデルと部活の「両立」


何気ない毎日の1つ1つが思い出

立石:ワセコレの活動で1番楽しかった思い出と大変だった思い出を教えてください。

足立さん:普段のリハがすごく楽しかったですね。夜遅いし、部活の後にヒール履いてウォーキングをするのは結構しんどいなとは思ったんですけど、スタッフさんとか、特にモデルのみんなが本当に面白い子が多くて(笑)

遅れてきた時に寄ってきてくれたり、なんでもないことがすごく楽しかったですね。みんなで帰りにラーメン食べに行ったりとか…!

大変だったことはとにかく時間がなかったことですね。
私の中では「両立する」っていうことが1番だったので、例えば、早稲田祭の当日も午前中に部活の練習試合が埼玉であったんです。

本番は4時ぐらいからだったので「よし、間に合うな」って思って9~12時までは部活を、そこからタクシーで駅に向かってから電車に乗って、早稲田祭に足を運んだという…当日は1番大変でした(笑)

立石:勝負に出ましたね(笑)

足立さん:でも、あの時自分が部活に行ってなかったら「結局どっちかを犠牲にしないとできなかったのかな」って思ってしまうので…。
実際どちらかを犠牲にしていることは多かったですけど、自分の中でどっちも絶対にやりたい!という気持ちが強かったので、その日はすごく大変でした。

“強くなった”経験

立石:そういった精神力の強さというのは昔からあったんですか?

足立さん:強くなりましたね。特に部活と留学を通して。

留学で初めて1人暮らしをして、その時も人に恵まれたとは思ったんですけど、コロナ渦でアジア人の差別ですとかはやはりあって…そのときは引きこもりたいって思ってしまって。
でもそこで自分を奮い立たせてショーに出たり、学生寮の代表をしたり、1つ1つが自分を後悔させないためにやっていたことなので、そのおかげで強くなった気がします。

立石:その留学経験がすごく大きかったんですね。1人暮らしは何が1番大変でしたか?

足立さん:ご飯ですね(笑)
電子レンジで 炊くご飯いつも爆発させていて、最後の方は硬めのご飯を食べてました(笑)
でも、最後の方はスペイン人の友達が美味しいパスタの作り方を教えてくれました。

立石:足立さんにも苦手なことがあるとは…。

「そして紺碧の空へ」MV撮影

立石:次の質問です。「そして紺碧の空へ」のMVがすごく気になったんですが、出演までの経緯を教えていただけますか。

足立さん:代表の遠藤さんはすごく気さくな方で、面接のようなものをしまして、私はその曲を聴いて素直に思ったことを言いました。

すごくいい曲だし、部活のことを想像させるような歌詞がたくさんあったので、「みんなでまた勝利を目指して試合に出たいな。」とか…。

大学で仲良くなった友達と授業がないと会わないことも増えちゃったので、そういう点でこの曲を聴いてると懐かしい気持ちになって「あー、大学ってすごく楽しかったな。」とか 「今はこんなに家に引きこもっているけど、あのときの自分って凄く可能性に満ち溢れたなー。」とか、そういうお話をして。

それから面接が終わった後に、「ちょっと私この曲を聞いて散歩してきますね。」って言ったのがすごく刺さったそうで。
自然と聞いてくれる曲になったということがすごく嬉しかったそうで、その言葉がすごく強かったとお聞きしました。

立石:散歩しながら物思いにふける感じで聴く歌っていいですよね。重ね合わせる部分がすごく多かったんですね。
撮影は大変でしたか?

足立さん:演技をしたことがもちろんなかったし、部屋に3脚を立ててコードをパソコンにつなげるとzoomの画面に映るので、それを見ながら監督の方から「もうちょっとこっち」とか、「今からこの表情してみてください。」とか指示をいただきながら撮影しました。

それで1人で笑ったり話したりとか、あとはゆいちゃん(共演者の方)と実際にzoom越しで会話しました。
演技については、演技と思わずに、素の私でいました。1人で部屋で何回も「ゆいちゃん」って呼んでました(笑)

立石:(笑笑)
ご家族は撮影や演技のことは知ってたんですか?

足立さん:はい。母親が結構笑かしに来てましたね。

立石:それが良かったんですね。普段の生活を感じさせるような、そのままの感じがすごく出ていました。
完成したのを見たときはどうでしたか?

足立さん:素直に感動しましたね。映像が綺麗だし、私が1番感動したのは動画が公開されてからどんどん埋まっていくコメント欄です。
コメント欄に大学生や受験生、OB・OG、町の人などいろんな人のコメントがあって、「やっぱり早稲田に行きたい。」とか卒業生の方からは「在校生を全力で支える。」とか、一気に早稲田がつながっていくのを目の当たりにしていい経験をさせてもらえたし、私も早稲田生として誇りに思える作品に携われたなって思いました。

立石:想像以上にいろんな方が見ているんですね。受験生や誰かの支えやきっかけになっているって嬉しいですね。

前と後で変わったこと。

立石:この前最後のステージを終えられたと思いますが、どうでしたか?

足立さん:単独は私は本当に練習する時間がなかったので、ポーズが完成したのが前日とか だったんですよ。ギリギリで…。
それでも早稲田祭よりはすごく余裕をもって挑めたと思うし、何より楽しんでいましたね。

早稲田祭の時は目の前にあるのが機材だけだったので、「自分がやっていることは誰かに伝わっているのか?誰かが本当に見ているのか?」というのが感じられなくて…。

どこに実感を沸かせればいいのか、やりがいを持たせたらいいのかわからない部分があったんですけど、単独ショーは少しでもお客さんが来てくれたおかげで「もっと自分を魅せよう。もっと楽しんでもらいたい!」とか、「自分の表情が変わっていくのを楽しんでもらいたい。飽きさせたくない…!」っていう想いがすごく強くて。
“魅せる”ということに集中できました。


立石:目の前に人がいて反応が分かるっていうのは全然違うんですね。

ワセコレに参加する前と後で変わったことはありますか?

足立さん:スケジュール管理がうまくなったことと、「自分1人では全然できないな、誰かがいてこその自分なんだな。」って自覚するようになったことです。
それから、人に見られることに慣れましたし、自分に対する価値観が変わったことです。

大雑把なところがあるのでそこを反省して、「人に迷惑をかけず、むしろ感謝されるような 人、指摘をできるような人にもっとなりたいな。」という意欲が湧いてきました。

立石:なるほど、人間的にすごい成長させられる経験だったんですね。

心の底から「誰かのために」と思える人に

立石:次の質問です。 今の時点で、今後やってみたいと思うことがあれば教えてください。

足立さん:本当に、心の底から人の為に動ける人になりたいと思っています。

今の私は前よりは人の為に動けるようになったし、人のことを想うのが原動力にはなっているんですけど、どこかで「いずれ自分の為になるから」っていう想いがあるからこそ頑張っている部分もやっぱりあって…。

だからこそ、いつかは自分の欲とか全く無しにして、本気で誰かのために、何かをしてあげられるような人になりたいなって思っています。

それは社会貢献なのかもしれないし、すごく身近なことをサポートすることなのかもしれないですが、「何か人の為になることをして生きていきたい」って心の底から思えるようになりたいんです。

立石:素敵な目標ですね。
どうしても思っちゃいますよね、「いつかは自分の為になるかも」って。
そう思ったきっかけって何かあったんですか?

足立さん:高校の時に生徒会でフードバンクの活動をしたり、留学中も、着なくなった服をもらって必要な人に寄付する活動をしたりしていたんです。

イギリスではボランティアをするのが普通だったので、その経験を日本でもしないのってもったいないなと思ったし、せっかくなら地域に貢献していけるような形でやりたいなと思って、フードバンク協会さんにお声をかけて始めた、という経緯です。

立石:足立さんが取り入れたんですか?行動力すごいですね!

足立さん:確かに生徒会を始めたぐらいから自分で行動するようになりました。アメリカは捨てられている服が多いし、ファッションショーでもテーマが「サステイナブル」だったので、それに出演した経験をなにか活かせないかなと思って。
ただ、今それが継続できているかというと100%そういうわけではないので…。

立石:普通であれば、やっている自分に満足して終わってしまうと思うんですけど、そこで満足せずにさらに深く考えている所がいいなと思いました。

足立さん:高校の時に出会ったフードバンク協会の代表の方とお話しした時に、「いつかは足るを知る人間になれたらいいね」って話をしてくださったんです。
自分はもう充分だって思った時に本当に誰かのために働けるからっておっしゃっていたので、本当の意味での思いやりを私もいつかは実現できたら良いなって思っています。

立石:いいですね。「足るを知る。」いい言葉です。足立さんは絶対になれると思います…!

本日は沢山の事をお聞きできて良かったです。足立さんがさらに素敵な方だって存分に知ることが出来ました!

足立さん:いえいえ、こちらこそありがとうございました!

非常に内容の濃いお話をしていただき、本当に楽しかったです…!

また何年後かに、足立さんのご活躍されている姿を再びお見かけすることができる機会を、今から楽しみにしています(^^)



インタビュアー:立石 恵梨奈
構成・編集:立石 恵梨奈


この記事を書いた人

erina_tateishi

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