音楽に合わせて舞うように筆を使い、大きな紙に文字を書く。迫力ある筆運びと息の合ったダンス。書道パフォーマンスには、見る人を感動させる魅力がたくさん詰まっています。
今回は昨年できたばかりの早稲田大学唯一の書道パフォーマンスサークル、「漣」さんにお話を聞いてみました。
〇書道パフォーマンスサークル「漣」について
―まず学部、学年、兼サーの有無など簡単に自己紹介をお願いします。
飯田さん:漣の幹事長を務めています、飯田亜矢(いいだ あや)と言います。教育学部心理学専修の2年生です。漣の他に、早慶戦支援会というサークルにも所属しています。
檜垣さん:商学部2年の檜垣友佳(ひがき ともか)です。兼サーはしていません。
小椋さん:商学部1年の小椋万鈴(おぐら まりん)です。兼サーはしていません。
―ありがとうございます。ではまず幹事長の飯田さんにお聞きします。サークルの人数や活動頻度など、漣さんについて簡単に教えてください。
飯田さん:今は全員で38人居ます。学年という括りをしていなくて、1期生2期生という括りをしています。1期生が16人、2期生が22人です。 2期生はほとんど1年生ですが、2年生も数人います。男子は38人中4人です。
活動頻度は基本的に週2ぐらいで、曜日は決まっていません。みんなに1ヶ月ぐらい前にアンケートを取って、空いている日に週2回 活動しています。イベント前はもう少し活動が多くなります。
―どのようなイベントに出演されましたか?
飯田さん:2020年は新型コロナウイルスの影響で無くなってしまったイベントも多く、出演したのは早稲田祭だけでした。以前は他サークルさんとのコラボ企画や大学のイベント、あとは企業さんからご依頼を頂いたイベントもありました。
―漣さんは昨年新しくできたサークルと伺っています。一からサークルを作るのはかなり大変なことだと思いますが、なぜ書道パフォーマンスのサークルを作りたいと思ったのでしょうか?
飯田さん:書道は小学校の時からやっていて、高校でも書道パフォーマンスの部活に入りました。大学でも書道パフォーマンスを続けたいなって思ったのですが、そのサークルがなくて。じゃあ自分で作ろうと思ったのがきっかけです。
―早稲田には本当に多くのサークルがあるのに、書道パフォーマンスのサークルは無かったんですね。
飯田さん:書道パフォーマンスは高校では割と部活動として有名になってきた部分はあるんですけど、大学では書道パフォーマンスのサークルは全然ないです。だから大学でも書道パフォーマンスを広めていきたいと思いました。それも作ろうとしたきっかけの一つですね。
―サークルを作っていく中で、特に大変だったことは何ですか?
飯田さん:最初はメンバーを集めるのが大変でした。1年生の最初に作ったので知り合いが全然いなくて。SNSで友達から友達伝いで広めてもらいました。
あとは資金集めですね。書道パフォーマンスは結構お金がかかるので、協賛をもらったりして資金を集めるのが大変でした。
―では逆に楽しかったことは?
飯田さん:最初のステージであるその年の早稲田祭に向けた練習が楽しかったですね。
メンバーが集まったと言っても、書道パフォーマンス未経験者がほとんどで、書道パフォーマンスがどんなものか分からない人が多くて。みんなのモチベーションが全然無かったんですね。だから練習に人がいないこともありました。
でもだんだんみんなが来てくれるようになって、早稲田祭に向けて全員で作品を作り上げていったのがすごく楽しかったです。
―「サークルを作る!」と決めた時、ご家族やご友人の反応はどうでしたか?
飯田さん:大学の友達は結構みんな応援してくれました。友達に広めてくれて、そこからメンバーが集まったのでありがたかったです。
家族には特に何も言われませんでした。「すごいじゃん」っていう感じで、反対はされませんでしたね。
今漣には40人近くいるんですけど、誰もこんなに大きくなるなんて思ってなかったかもしれないです。
〇書道パフォーマンスの魅力
―私は高校の時から書道パフォーマンスが大好きなので、こうやって大学でもパフォーマンスが見られて嬉しいです。作ってくださってありがとうございます!
ではここからは皆さんにお聞きしたいと思います。書道パフォーマンスを始めたきっかけ、また漣さんに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
檜垣さん:小3から書道をしていて、高校も書道部でした。でも大学は人生の変わり目かなと思ったので書道以外のことをしようと思っていました。スポーツのサークルとかを結構見ていたんですけど、結局自分に合ったサークルに出会えなくて悩んでいました。
その時書道パフォーマンスサークルを作ろうって話があるのを知って。やっぱり書道がしたいし、かつやったことのない書道パフォーマンスだったのですごく魅力を感じて、それで入ることに決めました。
小椋さん:私は高校で書道部に入っていて、そこで書道パフォーマンスを始めました。受験期に色んな大学の書道系のサークルをSNSで探していた時に、漣が目に留まりました。
書道パフォーマンスができるサークルはどれだけ調べても漣しかなくて。高校ですごくパフォーマンスが好きだったのでぜひ続けたい、この機会は逃したくないと思って入りました。
―ありがとうございます。ここからは書道パフォーマンスについて深くお聞きしたいと思います。
書道パフォーマンスのステージを何度か見たことがあるのですが、文字の綺麗さはもちろん、そのデザインや音楽に合わせたダンスなど細かいところまでこだわって作られていますよね。見ている側はそういったところにすごく感動するのですが、皆さんが思う書道パフォーマンスの魅力はどこにありますか?
飯田さん:他のダンスサークルやパフォーマンスサークルと違うところとして、文字でもみなさんに感動を伝えられることが挙げられますね。もちろんダンスとかが揃っていることに感動するっていうのはあると思います。でも私たちはそれだけではなくて、文字で皆さんに伝えやすい形で伝えられるっていうのが1番の魅力です。
檜垣さん:私もすごく似ているんですけど…人に感動を与えられるっていうことが魅力だと感じています。早稲田祭やイベントを友達が見に来てくれて、そこで「冗談抜きで涙が出た」って言ってくれたんですね。こうやって書道パフォーマンスを通して色んな人に感動を与えられるところに魅力があると思います。
小椋さん:普通の書道の作品はどうしても1人でやってしまうし、人にあんまり見せることもないし、だから真面目で堅苦しい感じのイメージがどうしてもついてしまっていて、人に伝えるということが難しいと感じていて。
でもパフォーマンスだとその構成とか動きの演出を通してメッセージを込めたり、あと曲もJ-POPを使うこともあるので話題性もあったりして書道をやってない人にも伝わりやすいのかなと感じています。こうやって多くの人の心に響くものが作れるのが魅力ですね。
〇全員で作り上げるステージ
―ありがとうございます。ではそんな感動するステージがどうやって作られているのか、普段の活動の様子について教えてください。
飯田さん:練習の流れはまず道具の準備から始めます。倉庫に筆やブルーシートなど必要な荷物があるのでそれをみんなで運び出してから、お借りしている施設に移動します。
最初は今日の流れを私が説明して、そこから練習を始めますね。
作品は全部一から自分たちで話し合って作っています。最初に構成とかを考えるんですけど、まず大体テーマを決めてから、1番大きな文字を決めます。それから横の文字を自分たちで考えたり、使う音楽の歌詞から取ってきたりして決めます。その後に背景を決めたり、パフォーマンスの動きを決めたり、文字の練習をしたりという形で進めています。
―ありがとうございます。練習の雰囲気はどのような感じでしょうか?
飯田さん:みんな仲がいいので結構ワイワイしていて楽しいですね。でも楽しいだけではなくて、真剣にやるときは真剣にやるような感じで切り替えをできるのがみんなのいいところかなと思います。毎回の練習は本当にみんな楽しんでくれている感じがしますね。
―みんなが楽しめるために何か気を付けていることはありますか?
檜垣さん:気を付けていること…まあ自然になっているんですけど、ある意味1期生と2期生の壁みたいなものはあんまり感じさせないようにしています。ガチガチに先輩後輩っていう感じだと後輩が私たちに言いたいことを言えなくなってしまって、意思疎通ができなくなってしまうので。敬語とかはちゃんとしているけど、壁みたいなものは絶対に無くしたいなって思っています。
パフォーマンスを考える時とか、1年生にも意見を言ってもらって一緒に考えるということをしているので、距離感は大事にしています。
―小椋さんはこの中で唯一の1年生ですが、入った時の雰囲気はどうでしたか?
小椋さん:同期、先輩含めて仲良くなるのが早かったですね。先輩と話す機会や2期生だけで話す機会を作ってくださったのがありがたかったです。
〇感動の早稲田祭
―ありがとうございます。こうしてインタビューをしていても3人の雰囲気の良さが伝わってきます!
そんな皆さんにお聞きしたいのですが、今までで一番印象に残っているステージは何でしたか?
飯田さん:1期生として一番印象に残っているのは最初の早稲田祭ですね。それが私たちのデビューステージだったんですけど、やっぱり最初なのでどれくらいお客さんが来るか全然分からなくて。でも想像以上に人が来てくれて、みんなで「こんなに人いるの⁉」って感動した覚えがあります。あとは作品を床で書いて立ち上げた時の、おおって歓声をすごく覚えています。
ステージが終わった後にそこの担当者の方からも、「1番盛り上がっていたと思うよ」って声をかけていただきました。そこからスタートなんですけど最初のステージとしては大成功だったと思います。
檜垣さん:最初の早稲田祭ももちろん印象に残っていますが、2020年の早稲田祭も感慨深かったです。新型コロナウイルスの影響でオンライン開催になってしまい、どう行動したらいいかわからなくて模索している状態でした。お客さんの反応も見えないし、映像だとどう伝わるのかわからなかったので結構不安なまま本番を迎えましたね。でもステージが終わった後に、見てくださった人からたくさん感動したっていう感想をいただきました。普段とは違うステージでも思いが伝わって、感動を届けられたことがすごく嬉しかったです。
あとは2期生のステージですね。最初に2期生のパフォーマンスがあって、それを端で1期生は見ていました。その時に本当に冗談抜きで涙が出て。1年生だけでパフォーマンスをしているっていうことに1年生の成長を感じました。
小椋さん:私は今年の早稲田祭の2期生だけのステージをすごく覚えていますね。
私が先頭に立って色々決めたのですが、書道パフォーマンス経験者が私を入れて3人しかいなくて。みんなを1つにするっていうのが難しかったです。でも話し合いの中で未経験の子たちもだんだん意見を言ってくれるようになってくれたのがすごくうれしかったし、その過程でどんどん仲良くなっていって絆が深まりました。
先輩方が私たちのステージを見て泣いてくださったっていうのを聞いた時は本当に頑張って良かったと思いました。
〇これからの目標
―今年は新型コロナウイルスの影響で思うように活動できない年だったと思います。今までのように活動できるようになったらしてみたいことや、目標などはありますか?
飯田さん:もっともっと漣と書道パフォーマンスを広めるのが引退までの目標です。
あとは海外でもパフォーマンスをしてみたいですね。高校の時に台湾でさせていただいたことがあるんですけど、その時にすごく興味を持っていただきました。台湾には書道の文化はあるけど、文字を踊りながら書くパフォーマンスの文化は無いみたいで。いつかは書道パフォーマンスを知らない海外の人にも広めていきたいですね。
檜垣さん:漣単独のステージをやってみたいです。他の団体さんとのコラボステージはいくつかやったんですけど、いつかは漣として1つのステージを作り上げたいと思っています。
小椋さん:コロナが落ち着いたら漣のパフォーマンスを生で見てもらいたいなというのが1番ですね。早稲田祭の時は動画だからこそできることや、動画だったらこういう方が伝わりやすいんじゃないかなっていう感じで構成を考えていました。でも絶対に生で見た方が迫力と感動はずっとずっと伝わると思うので、ぜひ生で見て欲しいです。
あと2期生はまだその場の歓声や盛り上がりを体験できていないので、それを是非みんなに知って欲しいです。
〇入会を考えている人へ
―私も書道パフォーマンス大好きなのでコロナが落ち着いた絶対に単独イベントを生で見たいと思います!
この記事を読んでいる人の中には新入生や2年入会を考えている人もいると思います。最後にそんな人たちに向けてメッセージをお願いします。
飯田さん:私達はほとんどが未経験者です。書道パフォーマンスやってみたいなとか、袴着てみたいなとか、少しでも興味がある人、熱意がある人は大歓迎なのでぜひ一緒に書道パフォーマンスをやりましょう!あとは本当に楽しいサークルなので、入って後悔はさせません!
檜垣さん:たぶん1年生は緊張して入ってくると思うんですけど、漣は本当に仲が良くて楽しいサークルなのですぐ打ち解けられるはずです。漣にいることですごく充実した大学生活になると思います。少しでも書道パフォーマンスやってみたいとか、興味があるなら1回は体験に来てもらって、漣の良さを感じて欲しいです!
小椋さん:先輩方が言っていたように雰囲気ももちろんすごくいいです。あとは普通の書道はやろうと思えば家で一人で出来るけど、書道パフォーマンスは絶対仲間がいないとできません。みんなで協力して一つの作品を作り上げるという経験は学生時代にしかできないことだと思います。頑張って練習して本番作品を見せた時の感動はすごく特別なものなので、ぜひ体験して欲しいです。
本当に楽しいサークルなのでぜひ入ってください!
〇まとめ
いかがだったでしょうか。私が初めて書道パフォーマンスを生で見た高校生の時、その迫力に圧倒されました。筆を振り下ろす時の風、墨の香り、見ている人も一体となって楽しめて感動を共有できるのが魅力だと思います。
この記事を読んで少しでも書道パフォーマンスに興味を持った人、読む前から気になっていた人は、この機会にぜひ漣さんの活動に足を運んでみてください。
【書道パフォーマンスサークル漣について】
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