踊り侍に学ぶ、自分たちの「在り方」

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スタジアムでのお披露目に至るまで。


立石:今までで1番楽しかった思い出ってありますか?

水高さん:楽しかった思い出か…(考え込む)
やっぱりお祭りになるのかな…う~ん、決めれないですね。

でも、どれに共通するのも、みんなで練習してきてそれを成果として見せて、お客さんに拍手もらえる瞬間が楽しかったりとか、メンバーと地方に行くから観光したりとか…。


最近1番嬉しかったのは、やっぱり日産スタジアムでの新演舞お披露目ですね。
どのよさこいチームもお祭りがなくて絶望的な状態の中だったので、自分たちが頑張ってああいう機会をいただけて実際お披露目できたというのは嬉しかったし、初めて立った瞬間でかすぎてビックリして…。

立石:その日産スタジアムのイベントは、どういう経緯だったんですか?

水高さん:まずどういう内容かと言いますと、本当にうちの団体のためだけに借りて、OB・OGと親御さんを呼んで新演舞のお披露目をしたんです。

今年はお披露目の機会もなくなってしまって、自分たちで機会を作らないといけないということで、自分たちなりに方法を模索していたんです。
それで、スタジアムとか公園とか色々探していたんですけど、スタジアムってサッカーとか陸上競技以外のためには作られてないから結構断られたんですけど、唯一日産スタジアムの方が、よさこいをやるのは初の試みであるけど、僕たちの想いに応えてくれて、「やっちゃえ、日産」ということで。

立石:言葉通りすぎる(笑笑)

水高さん:リハとかも兼ねて6時間くらい自分たちで借りて、10分だけ公演してっていう感じでさせて頂きました。


立石:なかなかできない事だけど、やってよかったですね。

水高さん:やあもう…それなりに大変ではありました。でも、例年だったらお祭りに行ってお披露目して、っていう、それももちろん楽しかったですけど、日産スタジアムで演舞踊ったチームって僕たちだけなんですよ。

だから、3年間お祭りで踊ってきた身として格別なものがあったし、今年だけのことができて良かったなとポジティブになれました。

立石:規模感もすごいですもんね。

進化させる必要がある。


立石:今までで1番大変だった思い出はありますか?

水高さん:大変だったのは…(考え込む)
演舞制作ですね。1から始める感じで、しかも今年は「踊り侍に新たな風を吹かせられるような新しい要素を振りに出せたらな」って。

今までは割と学生のエネルギーを売りにしてきたんですけど、「パフォーマーとして1歩進化できるような演舞を作りたい」というふうに話を進めたんです。でも、新しいことをやるとメンバーともたくさんぶつかったので大変でした。

立石:どんなことでぶつかったんですか?

水高さん:まずは、「そもそも新しさを求める必要があるのか?」っていうところで1番最初にぶつかりまして…。
自分で言うのもなんなんですけど、それなりに知名度のあるサークルで、熱量を売りにしていて、それに憧れて入ったメンバーがいる中で、演舞のスタイルを変える必要があるのかっていう部分でもめましたね。

ただ、最近は学生らしい勢いを売りとするよさこいチームさんがすごく増えてきたんです。

一昔前は学生チームの中では、たくさんの賞をいただけていたのですが、他のよさこいチームさんもすごく実力をつけて来て、若干賞が取れなくなってしまったんです。

その現状を踏まえて「進化させる必要がある」ということでこういう結論に至ったんです。結果的には、自分たちなりの新しいスタイルになったんじゃないかなと思います。

立石:例えば演舞のどういったところが新しくなったんですか?

水高さん:今までは、踊り子を売りにして、踊り子の生き様を見てお客さんに熱量をそのまま伝えていたんですけど、今年は世界観を追加して、「狼」という世界観で、内なる自分たちの熱量を、表現に変換して伝えてみようってなったんです。

もちろん元気とか迫力、熱量を出すシーンともあるんですけど、例年とは違う一面を出せれば、と思って作りました。

新演舞テーマ発表PV


立石:かっこいいですね!

水高さん:このテーマ決めも、例年は「踊り子がどういう気持ちで踊るか」とかを決めていたので、今年は世界観から決めるっていうことで、たくさんいろんなものを決めましたね。
みんなで案を出し合って議論する中でも、「立ち返る場所」を大事にしていました。
軸を大切にして、いろいろ議論が発展しても「軸に合っているのはこっちの選択肢だよね」みたいな感じで 決めていくようにしたので、もちろん難しさはあったけど、新しいことを始めるにしてはスムーズに出来たんじゃないかなと思います。

立石:例年よりも、1からどんどん新しいものを考えて行くっていくのは大変でしたね。立ち返る場所をしっかりと意識していたら、どんどん逸れていったりすることもなくなりそうですね(^^)

1人よりも全体を見て。

立石:早稲田祭の見所を教えてください。

水高さん:今年度意識してるのが、「チームで演舞を作る」っていうことです。

パフォーマンスは前列で踊る人が注目されがちではあるんですけど、「私が目立つ」じゃなくて「チームで1つの演舞を作りだそう」っていうのを意識しているので、1人を見るというよりは、全体を見て欲しいっていうのはありますね。

踊り侍の新しい一面も見せつつ、踊り侍らしい一生懸命踊る姿は変わらないので、そこも見て欲しいと思います。

立石:さっきの代表になって気付いた事と似てますね。「1人じゃなくてみんなで」って。

水高さん:そうですね、やっぱりそれが個人戦じゃなくて団体戦のいいところだと思います。

立石:大事ですね!ありがとうございます。

反骨精神と、前に進む力のあるチーム

立石:新入生に向けて何かメッセージをいただけたら嬉しいです。

水高さん:一言言うならば 、「踊り侍に入って後悔はしない」ということです。
大学生活いろんな選択肢があると思いますが、大学生は何か熱中するものを見つけた方が良いのかなって思ってます。

それが踊り侍じゃなくてもいいから、何か熱中してくれるもの見つけられたらいい大学生活が送れるんじゃないかなって思っていて、その中でもそれを可能にしてくれる仲間と空間があるのが、「踊り侍」だと思ってます。

本当に、何て言うんだろう…負けじと何かを作って発信していく反骨精神とか、前に進んでいく力のあるチームだと思うので、入って絶対に後悔はしないって思います。

立石:それは水高さん自身が実際に入って、そう感じたんですね。

水高さん:そうですね。

熊谷:「考えながらやっている」というか、パフォーマンス以前に「問題に取り組む姿勢」が凄いなって思いました。

普通は「パフォーマンスをする」ということが目的になってると思うんだけど、「まず、自分たちは何を表現したいのか、この代はどう進むべきか」とか、「今この状況ではこうして行くべきなんじゃないか」とかをすごく考えているなって。

意思を持って取り組んだ結果、日産スタジアムでやってるっていうことに繋がっているから、ここがすごいなって思いました。
それが自分が感じた1番の魅力だなって…。

水高さん:他は「練習を目的にしている」っていうところとかもあると思うんだけど、「本当に踊り侍が好き」っていう人が多いから、熱中してくれる仲間は他と比べても本当に、格段に違うって感じていて…。

だから、これはうちが本当に強い!って言うのをなんか言葉で伝えるのが難しくて。どこも新歓ではそういう感じのことって言うから。

熊谷:いやでも 、日産スタジアムでやったっていう行動の成果があるから、1番そういう思いの強さは伝わるし、自分が新入生でも感じますよ。
今年の踊り侍は何を芯に持ってパフォーマンスをしていますか?

水高さん:何を芯にしてやってるかって言うと、やっぱり「お客さんに衝撃を届けたい」ということで、その「衝撃」という言葉にすごく意味が含まれていて

パフォーマンスを見て「わーすごい。」で終わりじゃなくて、「ワァッ…!!」って心を動かされたり、涙が出てきちゃうパフォーマンスってあると思う。

それを僕らは代々「お客さんに衝撃を与えられるチームでありたい」って思ってやっているから、衝撃を与えられる演舞をするために生半可な気持ちでやっていてはだめだと思ってる。

熊谷:個人的にすごくいいなって思う点があって。
水高 (※2人は同級生です) が仲間といるっていう以上に、組織に対する思いがすごい強いし、「衝撃を与えたい」っていう根幹がしっかりとあるし、すごい良い組織だなって感じた。

水高さん:ありがとう(笑) 新歓では伝わりづらいところだったりするからね…笑

立石:考察もすごいですね(笑)じゃあ、私も頑張って伝えますね(笑)

すでに新たなステージへ。

水高さん:日産スタジアムは自分たちだけで、終わっちゃったけど、今度「自分たちでお祭りを開こう」って絶賛動き出していて。

学生よさこいチームってみんなパフォーマンスの機会を失ってしまっているから、みんなで最後お客さんに何かを届けられる公演を作ろうということで「シン・祭」っていうのを作っていてtwitterでも動き出してるからぜひぜひ注目してくださいって感じで。

「シン・祭」公式アカウント


熊谷:楽しみだね。本当に。自粛期間も含めて、現状維持で止めるんじゃなくて、この現状だからこそ打開しようという意識が すごいあるなって思った。

水高さん:踊り侍が違うのは「切り開く力」っていうところかなって思う。
今年は特に作んなきゃって感じで。それに、みんなにも最初からこんなに伝えられなくて、踊り侍に入ってだんだんそういう気持ちになっていくっていう感じ。
だから、本当にやりたいと思っている子達が来てくれれば嬉しいですね。

熊谷:なるほど。辞める人も少ないし、その点も凄いと思う。
じゃあ以上で質問は終わりです。今日はありがとうございました!

早稲田のパフォーマンスサークルの前線に立ち、侍のように堂々と道を切り開いて進んでいく踊り侍さん。
今回は、団体の“在り方”のようなものを強く考えさせられるインタビューとなりました。

おそらくこの記事だけでは伝えきれていないくらいの強さと魅力に溢れたチームなのだと、書き進めるにつれてひしひしと感じました…!


◇踊り侍◇
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インタビュアー:立石 恵梨奈
編集・構成:立石 恵梨奈

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