はじめに
みなさんこんにちは!わせコマ編集部です。
突然ですが文学部と文化構想学部の違いはご存知ですか??早稲田志望の受験生の方はもちろん、今現在これら2学部にいる方も詳しくはご存知ない方が多数派だと思います。
現在文化構想学部に所属している2年の筆者が文学部と文化構想学部のそれぞれの特徴について経験ベースで詳しく解説していきます!ぜひ最後まで読んでみてくださいね☺
文学部と文化構想学部の成り立ち
早稲田大学にはもともと第一文学部と第二文学部がありました。
「一文」「二文」という略称で長らく親しまれた影響で、今でも中高年の方はこれらの呼び方により馴染みのある方が多いでしょう。
どちらも1890年に創設された文学科を起源としていますが、1949年の編成によって第一文学部と第二文学部に分けられました。
一文は昼間開講を中心としていたのに対し、二文は昼間に働く人を対象に夜間に講義が開講されていたのが特徴的です。
しかし、社会情勢などの影響から2007年に文学部と文化構想学部に再編され、今に至ります。(一文が文学部、二文が文化構想学部にそれぞれ引き継がれたわけではないようです)
文学部と文化構想学部の共通点
とはいえ、両学部にはもちろん共通点が多くあります。
箇条書きにすると
- キャンパスが同じ(戸山キャンパスという文文構専用のキャンパス)
- 1年次はほぼ同じカリキュラム
- 「ブリッジ科目」の講義は文、文構関係なく履修できる
などが挙げられます。
キャンパス
戸山キャンパスでは文学部、文化構想学部、大学院文学研究科設置の授業が実施されていて、文と文構に入学した学生の大半が4年間主にこちらのキャンパスをメインとして使うことになります。
最寄りは東京メトロ東西線早稲田駅で、駅から歩いて数分ほどの立地にあります。
(ただし、西船橋方面からの出口を利用する場合、信号待ちで数分間時間をとられるかもしれないので、特に授業開始直前あたりの時間帯には注意しましょう⚠)
カリキュラム
1年次において文と文構の履修科目の違いはあまりありません。
どちらとも週4コマの第二外国語、週1コマの英語と必修基礎演習(レポートの書き方や発表のやり方等を学ぶ授業)、オンデマンド授業の基礎講義(1回あたり20分程の講義を締め切りまでに計20個程度視聴する授業)と、他の学年と比較して必修科目(科目登録前に予め自動で登録される科目)が多いのが特徴的です。
下に掲載している2つの時間割のうち、前者は文学部、後者は文化構想学部ですが、週4コマの第二外国語は文文構混合となっており、接点が多くなっています。
文学部と文化構想学部の異なる点
ゼミはあるの?
読者の方の多くは「ゼミ」の存在を聞いたことがあるのではないでしょうか??
いわゆる大学におけるゼミは一人の先生と少人数の学生が双方向の授業を行うのが典型的で、例えば文献や資料を授業中に全員で読んだり、ある特定のテーマについて議論を行ったりします。
ここで知っておきたいのが、文学部と文化構想学部の両学部にゼミが設置されているわけではないという点です。
文化構想学部は多くの他学部と同様にゼミがあり、3年次から4年次にかけて2年間、基本的に特定の先生のもとで学ぶスタイルとなっているのに対し、文学部にはそのような形式のゼミがありません。
しかし、文学部は2年次からすでに専攻が決まり、それぞれのコースの定員は数十人程度のため実質的に所属コース=所属ゼミといっても差し支えないでしょう。
個人的な印象ですが、ゼミの有無よりも文学部所属の先生方と文化構想学部所属の先生方の専攻テーマ(研究テーマ)を予め確認しておき、自分の興味関心と近い先生がどこに在籍しているかどうかを見ておくと悪い意味でのギャップは生まれにくいかなと思います。
各学部の履修の特徴
先程言及した通り、1年次においては両学部ほぼ同じですが、2年次から大きく異なっていきます。
文化構想学部
文構の大雑把な特徴としては、やはりその扱える分野の広さにあります。
2年次以降には6つの論系(多元文化論系、複合文化論系、表象・メディア論系、文芸・ジャーナリズム論系、現代人間論系、社会構築論系)のうち、どれか一つの論系を選択して進級することになります。
前提条件として自身が所属する論系の専門演習を16単位以上、ゼミ選択者の方の場合はそれに加えて8単位取得すると、あとは選択外国語を除いて自由に履修することが可能です。
文学部
文学部は18のコース(哲学、東洋哲学、心理学、社会学、教育学、日本語日本文学、中国語中国文学、英文学、フランス語フランス文学、ドイツ語ドイツ文学コース、ロシア語ロシア文学、演劇映像、美術史、日本史、アジア史、西洋史、考古学、中東・イスラーム研究)にそれぞれ進学することになります。
そのコースの多様性にもあるように、大まかな傾向として文の方は特定の領域を深く掘り下げられる傾向にあります。
それは卒業までの単位取得要件にもはっきりと表れていて、例えばそれぞれのコースに関わる必修科目(=コース専門科目)を2年次から4年次までの3年間に42単位以上取得することが義務付けられています。
ざっくりまとめると、文構は様々な分野に対して幅広く見識を持つジェネラリスト、一方文は特定の分野に造詣が深いスペシャリストを輩出しようとしているといえます。
それゆえに何らかの分野にもともと興味を持っており、体系的に学びたい方は文、様々な分野に関心を持っており、必修に限らず自主的に多種多様な講義を履修したいと考える方は文構を検討におくとよいのではないでしょうか。
また、ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語の教職免許は文学部の各コース(独文、仏文...)のみでしか取得できないので、少しでもこれらの言語の教職を考えている方はあらかじめ文学部を志望しておくと安心です。
まとめ
いかがでしたか?文と文構は同じ学術院所属ということもあり、その違いがあまりわからないと思われる方が多いと思います。
ただ実際には2年次以降から大きく履修制度を中心に違いがあるので、文と文構のどちらを受験するか迷われている方だけでなく、既にどちらかの学部を志望している方もぜひじっくり考えていただければ幸いです。